酒匂川発電所めぐり(2018-4-25)

酒匂川は御殿場付近からの鮎沢川と西丹沢三保ダムからの河内川が国道246号線の清水橋付近で合流したところから相模湾に注ぐまでの名称で、鮎釣りで有名な二級河川である。酒匂川の右岸堤防上にはよく整備された約9kmのサイクリングコースが設けられていている

画像地形図①の(1)

画像地形図①の(1)このサイクリングコースを走っている中で何時も気になっていたのが、このコースを横切って酒匂川に注ぐ激しい流れ(上の写真) この写真は酒匂川へ注ぐ手前にある堰と酒匂川との合流箇所

画像地形図①の(2)立入りできない様に背の高い金網で両側を囲い、それがずっと奥まで続いている。金網の脇には何とか自転車が通れる程度の道があり、詰めてゆくと一部蔦に覆われた大きな建造物の前で道は無くなり、その建造物から激しい流れが出ていた。後で判ったがその建造物は水力発電所。で、酒匂川に注ぐ激しい流れは発電所の排水口からのもの

画像地形図①の(3)発電所の裏側に廻ると発電に使用する導水路が見え、その中を速い流れが音もなく発電所に吸い込まれているのは不気味な感じがする

画像地形図①の(4)この導水路を上流側に辿ってゆくと、建物に突き当たり、見るとその水路はその建物に吸い込まれている。そう、建物も水力発電所。場所はサイクリングコースの終点、通称「大口」付近で、この発電所は後に調べて「飯沢第一発電所」、先に出会ったのは「飯沢第二発電所」。
サイクリングコースは酒匂川に架かる新大口橋付近の通称「大口」までで、普段はここで引き返すと往復約18km弱のコース。何度も「大口」に来ていたが付近に水力発電所があるとは全く知らなかった

画像地形図①の(5)興味が湧き「大口」の水力発電所の裏側へ廻り、流れ込む導水路はどこから来ているのかサイクリングコースを外れて辿ってゆくと、導水路は車が頻繁に行き交う車道をくぐり抜け反対側に設けられたトンネルから流れ出てきており、その先は辿れなかった

画像地形図①の(6)

画像地形図①の(7)後に地形図からそのトンネルへは、そこから少し先にある内山水力発電所からの排水が全て流れ込んでいること知った。実際に地図を頼りに愛車(MTB)を進めると酒匂川に架かる岩流瀬(ガラセ)橋を渡った先に内山水力発電所があり(上の写真)、確かに建物の下部からの排水はそのまま真直ぐに流すと酒匂川に注ぎ込むところを水門で遮り、水門の左側に設けた取水口へ吸い込まれ、道路越しにまたもや導水路として顔を出し、その先にあるトンネルに吸い込まれていた。このトンネルの出口が先に述べたトンネルと繋がっていた

画像地形図①の(8)ここまで来ると内山水力発電所へ流れ込む導水路を調べずには気がすまず、発電所の裏側の道路を辿ってゆくと、有りました両側を高い金網で囲われて気味が悪いくらい流速が早いのに全く流れる音が聞こえない導水路が。この水路は地形図にも記載されており、地形図には酒匂川の上流に架かる新樋口橋から取水しているように見て取れた

画像地形図②の(9)新樋口橋は新松田発西丹沢行の路線バスが国道246を逸れ、山北町内を通り再び国道246と交差するところに出ると直ぐに目に入る大きな橋である。この橋から酒匂川の上流を望むと橋の直ぐ下に大きく東京電力山北発電所の看板を掲げた建物が建っており、これも水力発電所であることがその建物の下部から多量の水が酒匂川に流れ込んでいることや、後方の斜面に導水管と思われる2本の太いパイプが建物に入っていることからも分かる

画像地形図②の(10)新樋口橋から酒匂川を覗き込むと真下に階段状の堰が目に付く。そしてその堰の右岸側に巨大な取水口があり、山北発電所から出た排水のほとんどを飲み込んでいるように見えた。
 国土地理院の地形図で発電所のシンボルマーク箇所に水色の破線が引かれているのが見られる。この水色の破線は水力発電所へ水を供給するための地下導水路の記号で、山北発電所への水の供給は地形図を追ってゆくと御殿場線谷峨駅付近の酒匂川に設けられた取水堰に導かれる

画像地形図②の(11)この地下導水路、地形図をよく見ると地上に顔を出している箇所がある。1つは山北発電所へ高所から水の供給する設備(写真では大きなコンクリートの塊と2本の鉄管)へ繋がる導水路で、水路自体の写真は撮れなかったが国道246を跨ぐように掘られた新芦戸隧道の上を流れていることが分かる

画像地形図②の(12)もう一つは新芦戸隧道を抜けて旧国道246(西丹沢行バス路線)に入って直ぐ、酒匂川に注ぐ鍛冶屋敷川を横切る短い導水路で、それを見るには新芦戸隧道を出て直ぐに大野山へ伸びる舗装された急勾配の林道を注意しながら進むと、写真のように欝蒼と繁る木の葉越しにチラリと見ることが出来る。落葉した季節に行けばはっきり見えると思う

画像地形図②の(13)地形図中の地下導水路に沿って、その付近を通る車道を辿って行くと写真のような頑丈な鉄格子が嵌った洞が道路に面してあり、鉄格子には鍵が掛かっているが進入禁止のプレートが取り付けられていて「東京電力」所有となっており、どうも地下導水路のメンテ用の設備らしい。耳を傾けるとゴーゴーと水の流れる音が聞こえた

画像地形図②の(15)この酒匂川右岸の車道を辿り酒匂川に架かる吊り橋を過ぎたところに堰がある。この堰こそ山北発電所へ水を送る取水堰で、取水口は左岸側に設けられている

画像地形図②の(14)地形図では取水堰から即、地下導水路になっているが、そのすぐ先で地表に現れており、地表に現れているだろう導水路を今来た車道を戻りつつ探した。すると今まで気付かなかったが酒匂川へ下る道があり、そこを行くと鉄柵で囲われた大きな施設が現れ、鉄柵越しに導水路が確認できた。この施設、取水口から水と共に流れ込んでくる異物の除去をしているのではと思っている

画像地形図①

画像地形図②

谷峨駅付近を流れる酒匂川に作られた取水堰から取り込まれた水は「山北発電所」⇒
「内山発電所」⇒「飯沢第一発電所」⇒「飯沢第二発電所」の4箇所で発電し、また元の酒匂川下流に戻っていた。調べてみると山北発電所の運用開始が1914年(大正3年)、内山発電所の運用開始が1918年(大正7年)、飯沢第一と第二発電所の運用開始が1931年(昭和6年)であり、決して大きな発電所ではないが、設備の更新及びメンテをしながら山北、内山発電所は約100年もの間、クリーンなエネルギーを供給している




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック